アレクセイ・ナヴァリヌイに捧げる詩
私たちはここで土まみれになった 子どもの頃 道の水たまりのなかを歩きながら 水と土、と、粘土 ゲンゴロウたち、と、夏
ここはあなたの地 貧しくも生きている、ライ麦の実のように 永遠にあなたの地 あなたはここへ戻ってきた、この地を放ってはおかなかった
私は泣かない あなたの墓は 墓じたいよりも大きい 世界じゅうが花を供えにくる 私があなたのために供えるのは
シャチャという名の川の砂 水のせせらぎときらめき 家へとつづく埃だらけの 道の粘土
私はあなたのために供えてあげる 日曜日一日かけて 自分の生きた祖国を あなたの祖国を、あなたの祖国を 死ぬまでずっと 死んでからもずっと
2024年2月
高柳聡子訳